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腸内細菌叢でアトピーなどのリスクを推測

腸内細菌叢でアトピーなどのリスクを推測  2023年01月31日

【赤嶺コメント】
もう、アトピー性皮膚炎と腸内細菌の関係は、多く発表されてきたが、当方も約30年間行ってきたので間違いはない。
今回のプレスは日本でもトップとされる関係者によるもので意義深い。一歩進んで、モニターのドキュメントもあれば、多くの方々の参考となったし、拡散されたと思う。
ただ、アトピー専門の方々ではなく健康をテーマにした会社や団体なので、インパクトに欠けたようだ。専門家となれば莫大な資金投下によって、製薬会社からまずは潰される。この報道が、これからの本当のアトピー医療への足掛かりとなれば嬉しい。


では、その内容をどうぞ・・・。

 




 腸内細菌は消化器疾患だけでなくさまざまな疾患との関連が報告されているが、腸内細菌叢の組成から疾患リスクを推測する手法は確立されていなかった。シンバイオシス・ソリューションズ株式会社の德野秀尚氏らは、腸内細菌叢を構成する各腸内細菌の占有率(相対存在量)からアトピー性皮膚炎などさまざまな疾患リスクを推測する手法を開発。Front Microbiol(2023年1月26日オンライン版)に報告した。


構造方程式モデリングにより疾患リスクを算出する手法を開発

 次世代シークエンス技術の進展を受けて腸内細菌叢の研究が盛ん;に行われており、腸内細菌叢がアレルギーや自己免疫疾患、肥満・糖尿病などの生活習慣病、がん、神経・精神疾患などさまざまな疾患に関連することが報告されている。それらを踏まえ、腸内細菌をバイオマーカーとした疾患の検出やリスク評価の検討が試みられてきたが、多種多様な腸内細菌が相互に作用する複雑な生態系である腸内細菌叢と疾患の関連性の全体像を捉え、高い精度と再現性をもって疾患リスクを推測できる手法はなかった。

 德野氏らは構造方程式モデリングの手法を用い、複数の腸内細菌(観測変数)から成る2つの腸内細菌叢因子(潜在変数)を設定し、疾患との関連性を分析することで疾患リスクを確率値として算出する手法を開発した。

 検討には「おなかケア・プロジェクト」から得られた腸内細菌叢データが用いられた。女性のアトピー性皮膚炎患者(45例)および健常対照(321群)の腸内細菌叢の組成データから各菌属の効果量を計算し、アトピー性皮膚炎患者と健康人の腸内細菌叢を特徴付ける菌属を特定し、6つの腸内細菌(観測変数)と2つの腸内細菌叢因子〔アトピー性皮膚炎の発症・増悪:潜在変数1(lv1)、アトピー性皮膚炎の抑制・緩和:潜在変数2(lv2)〕から成る構造方程式モデルを構築。lv1の観測変数としてアトピー性皮膚炎患者で特徴的なCoprobacter、Butyricimonas、Alistipesを、lv2にはAgathobacter、Streptococcus、Fusicatenibacterを割り当てた。

 このモデルにより腸内細菌叢がアトピー性皮膚炎に及ぼす影響の全体像が構造化され、アトピー性皮膚炎に対するlv1のパス係数が0.32(P<0.01)、lv2のパス係数が?0.41(P<0.01)であることが示された。



図1. 腸内細菌叢とアトピー性皮膚炎の関係を示す構造方程式モデル

抑制・緩和に寄与する因子で疾患リスクの推測精度が良好

 次に、同モデルから得られた2つの腸内細菌叢因子の潜在変数の値がアトピー性皮膚炎およびその他の疾患の有無によりどのように変化するかを検討。lv1の値は健常対照群および他疾患罹患群と比べてアトピー群(アトピー性皮膚炎のみ罹患)で有意に高かったが、他疾患を合併したアトピー性皮膚炎患者(他疾患合併群)との差はなかった(図2-左)。つまり、他疾患を合併するアトピー性皮膚炎患者ではlv1のみではアトピー性皮膚炎との関連が捉えにくくなる可能性が示唆された。

 一方でlv2については、アトピー性皮膚炎に罹患している群(アトピー群、他疾患合併群)は罹患していない群(健常対照群、他疾患罹患群)と比べて有意に値が低く(図2-右)、lv2は他疾患と関連する腸内細菌叢の変動の影響を受けずにアトピー性皮膚炎との関連を捉えることができる可能性が示唆された。



図2. アトヒ゜ー性皮膚炎と関係する腸内細菌叢因子の値

 この結果について、德野氏らは「炎症反応の亢進に関わる3菌属の増加よりも、炎症反応の抑制に関わる3菌属の減少の方が腸内細菌叢とアトピー性皮膚炎の関連性を的確に捉えることができる可能性が高い」と考察している。また、アトピー罹患状況が不明な状況における腸内細菌叢因子(lv1、lv2)の値を推定する構造方程式モデルを構築し、図2と同様の傾向を示すことが確認された。

 さらに、説明変数としてlv1またはlv2を用いたロジスティック回帰モデルを作成し、受信者動作特性(ROC)解析により精度を検証した結果、lv1を説明変数とするモデル、lv1とlv2を説明変数とするモデルと比べてlv2を説明変数とするモデルの精度が最も高かった〔曲線下面積(AUC)0.66、図3〕。これは、lv2は他の疾患と関連する腸内細菌叢の変動の影響を受けずにアトピー性皮膚炎との関連を捉えることができる可能性があるという図2の結果を反映しているものと考えられる。


図3. 潜在変数別に見たアトヒ゜ー性皮膚炎リスクの予測能


さまざまな疾患でリスク推定モデルを構築することが可能


 今回の研究で疾患リスク推定モデルに用いられた構造方程式モデリングという手法は拡張性が高く、腸内細菌が持つ遺伝子機能の解析結果などを組み込むことでさらなる精度向上が期待できるという。また今回はアトピー性皮膚炎を対象としているが、腸内細菌叢との関連が想定されるさまざまな疾患についてリスク推定モデルを構築することが可能であるという。

 德野氏らは「臨床現場における疾患の診断や治療・予防をサポートする新たなツールとして広く活用されることが期待される」と述べている。

 

 

 

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